米国アイダホ州のセンチュウ駆除、経過は順調との報告(2017/4/23)

 米国農務省動植物検疫局はアイダホ州のジャガイモシロシストセンチュウ汚染圃場を対象として行われているセンチュウ根絶プログラムの経過報告を行い、駆除は順調に進行しているとの見解を示した。


 米国農務省が21日に発表した「ジャガイモシロシストセンチュウ根絶プログラム」2017年第1四半期報告書によると、2006年~2013年にシロシストセンチュウに感染したことが判明してプログラムの対象となっていたアイダホ州の27圃場のうち、新たに3圃場の土壌サンプルで生存シストセンチュウの存在が確認されなかったことが分かった。これにより、栽培再開に向けてこの重要な段階をクリアした圃場は計20圃場となった。これら20圃場では、2007年から2014年の間に臭化メチルの散布が1回以上行われており、一部の圃場ではシロシストセンチュウのトラップクロップであるライチトマトや殺センチュウ剤のテロンIIを合わせて使用している。

 米国で初めてジャガイモシロシストセンチュウが確認されたのは2006年のことである。その後現在までに27の圃場でシロシストセンチュウが検出されているが、感染圃場はアイダホ州南東部のボンネビル郡とビンガム郡に集中しており、アイダホ州以外の圃場では感染が確認されていない。現在は、発生圃場とその関連地域を合わせて9,333エーカー(3,777ヘクタール)が規制対象となっている。

 米国にとって主要なジャガイモ輸出先であった日本、カナダ、メキシコ、韓国は、2006年にアイダホ州からのジャガイモ輸入を禁止(日本はアイダホ州を含む米国全土からの輸入を禁止)した。日本を除く3カ国はその後輸入を再開しているが(カナダとメキシコは規制区域以外のもの、韓国はアイダホ州ボンネビル郡およびビンガム郡以外のものという条件付き)、日本は現在もアイダホ州からのジャガイモ輸入を禁止している。

 ジャガイモシストセンチュウ(potato cyst nematode)は世界的に2種類報告されており、ジャガイモシストセンチュウ(golden nematode)とジャガイモシロシストセンチュウ(pale cyst nematode)が知られている。日本では長年ジャガイモシストセンチュウ(golden nematode)のみが確認されていたため、種名としてのgolden nematodeと総称のpotato cyst nematodeがいずれも「ジャガイモシストセンチュウ」と訳される。ジャガイモシロシストセンチュウは、日本では2015年8月に北海道網走市で初めて確認された。

 ジャガイモシストセンチュウは土壌中に存在してジャガイモなどナス科植物に被害を与える害虫で、球形にふくれた雌成虫の身体(シスト)内の卵の状態で10年以上生存し続け、根に寄生して養水分吸収を妨げる。高密度で発生した場合には収量が80%減少する場合もあるが、収穫されたジャガイモを食べても人体への影響はない。主な感染経路は農業機械等に付着した土壌の移動による伝染である。ジャガイモシストセンチュウに関しては根本的防除方法がなく、一度侵入した圃場や地域から根絶させることはほぼ不可能であるとされており、オランダでは可能な限り低いレベルでセンチュウを封じ込めて管理することを目標として対策を行っている。


参考ニュースソース:Potato Pro
http://www.potatopro.com/news/2017/efforts-eradicate-damaging-nematodes-27-infected-idaho-potato-fields-progressing-well

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