政府、11年ぶりに米国アイダホ州からのジャガイモ輸入を解禁(2017/9/15)

 日本政府は12日、11年ぶりに米国アイダホ州産の加工用生鮮ジャガイモの輸入を解禁した。アイダホ州は米国最大のジャガイモ産地であるが、2006年にジャガイモの収量に甚大な被害を与える病害虫のジャガイモシロシストセンチュウが一部の圃場で検出されたことから、アイダホ州産のジャガイモの日本国内への輸入が禁止されていた。今回、侵入リスクが低下したことが確認されたとして、輸入再開を決定した。


 日本は1950年以降、ジャガイモがんしゅ病とジャガイモシストセンチュウが米国で発生していることを理由として、米国産生鮮ジャガイモの輸入を禁止していたが、米国政府の要請を受けて2006年2月にアイダホ州を含む14州からのポテトチップス加工用生鮮ジャガイモの輸入解禁を決定した、しかし、その直後に、当時日本ではまだ発生していなかったジャガイモシロシストセンチュウがアイダホ州の圃場で検出されたため、同年4月に米国全土からのジャガイモ輸入を停止した。その後2007年2月に輸入が再開されたが、米国内で唯一ジャガイモシロシストセンチュウの感染が確認されているアイダホ州は、輸入可能地域から除外されていた。

 その後現在までに27の圃場でジャガイモシロシストセンチュウが検出されているが、感染圃場はアイダホ州南東部のボンネビル郡とビンガム郡に集中している。米国農務省動植物検疫局は汚染圃場を対象としてセンチュウ根絶プログラムを実施しており、今年4月には、すでに20圃場の土壌サンプルで生存シストセンチュウの存在が確認されていないことを報告していた。今回の決定に先立ち、農水省が現地で調査を行い、安全性が確認されたとして輸入解禁に踏み切った。感染圃場のあるボンネビル郡とビンガム郡産のジャガイモについては、引き続き輸入を禁止する。

 米国産生鮮ジャガイモの輸入量は年々増加しており、昨年は2万8000トンにのぼった。5年前と比較して3.5倍の輸入量となっている。全量がポテトチップス加工用であり、国内の供給量が不足する2月から7月に限り輸入が許可されている。しかし、生鮮ジャガイモの輸入は病害虫の侵入を防ぐために植物防疫法により厳しく規制されており、指定加工工場での使用に限定されている。現在、米国からの輸入生鮮ジャガイモを原料として受け入れているのは、カルビーの広島工場と鹿児島工場のみである。

 一方で、ポテトチップスメーカーは、国内でジャガイモの契約栽培から加工、販売に至るサプライチェーン全体で、適正な品質の製品を継続的に提供する体制を数十年にわたって構築してきた。今年4月には、北海道産のジャガイモ不足により主要メーカーのポテトチップス商品が販売休止に追い込まれたが、これを受けて各メーカーとも今後さらに安定的に国内産の原料を確保するための対応策を講じている。現状では、国内で消費するポテトチップスの原料は国産が9割を占めており、輸入ジャガイモを使用するための条件の厳しさや品質面を考慮すると、今回の輸入解禁による国内産地への影響は当面限定的であるとみられる。


参考ニュースソース:PotatoPro
https://www.potatopro.com/news/2017/japan-resume-potato-imports-idaho-after-11-years


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