オランダにおける消費用ジャガイモの作付面積が、2025年に過去25年で最も高い水準に達した。中央統計局(CBS)の最新発表によると、国内の生産者は今年、83,000ヘクタール超の消費用ジャガイモを栽培しており、前年から8.6%の増加となった。
これは2000年以来初めて80,000ヘクタールを上回る数値であり、オランダのジャガイモ生産における構造的な変化を象徴する出来事となっている。
消費向けが主流に でんぷん用は縮小
現在、国内で栽培されているジャガイモのうち、約半分が直接消費向け。
かつてでんぷん用はジャガイモ作付全体の30%を占めていたが、その比率は年々減少傾向にあり、市場のニーズや生産者の作物選択が消費志向に移行していることがうかがえる。
オランダ全体のジャガイモ作付面積は16万4,000ヘクタールを超えており、作物構成に大きな変化が起きつつある。
耕地面積全体も拡大傾向
統計局は2025年のオランダの総耕地面積が前年比3.1%増の約54万7,000ヘクタールとなり、2023年とほぼ同水準に戻ったと報告している。
中でも注目されるのがタマネギの動向だ。種子用タマネギの作付面積は3.6%増加し、とくに赤玉ねぎの生産拡大が成長をけん引している。一方で、黄玉ねぎの作付面積はわずかに減少した。
市場動向を反映、生産構造に変化
今回の作付動向は、小売・加工市場でのジャガイモ需要が堅調であること、そして生産者が収益性を重視した作物選択を行っていることを反映している。
同時に、でんぷん用ジャガイモの縮小は、気候変動対応、コスト上昇、輸出条件の変化といった外部要因に対する農業界の適応とみる向きもある。
アナリストや業界関係者は、今後の農業政策や市場動向がこの消費志向の流れを持続させるかどうか、注視していく構えだ。
出典:Potatoes news today
写真出典:Pixabay