ハリガネムシ退治に新発明!!

農業ニュース

2024年、7月17日、ミツバチを日本に供給していることで有名なオランダのコッペルト(Koppert)社が、ハリガネムシ退治に新たな方法を開発した。ジャガイモを栽培したことのある生産者であれば、ハリガネムシでの被害に一度や二度見舞われたことがあるのでないかと思う。日本では土壌燻蒸剤も含めて何種類か農薬が登録されているが、ヨーロッパでは特に土壌燻蒸剤のような有用微生物にもダメージを与えてしまう農薬は次第に利用できななくなってきている。そのような背景から、同社は線虫を利用したハリガネムシ退治の方法を考案し、試験成績を公表している。ハリガネムシと呼ばれているものには何種類かあるが、基本的には甲虫などの初期の生育段階の幼虫であり、ジャガイモ塊茎などに穴をあけて食い荒らし、トンネル状の細長い穴を穿ってしまう。従ってハリガネムシによる食害は、栽培の初期に発生しやすい。コッペルト社によると昆虫病原性のセンチュウ、あるいは有用線虫は昆虫との関係においてとてもユニークな性質をもった一群のセンチュウを指し、土壌中に放たれるとハリガネムシを探して、共生的なバクテリアを植え付け、ハリガネムシは数日を経ずして死んでしまうという。試験結果によればハリガネムシによる被害を最大30%低減できたという。農薬に頼らないこのような生物的な防除方法はより環境にやさしい近未来の農業を見据えており、改めて生物界の多様性に驚かされる。農業は最大の環境破壊者という汚名を拭い去る農業のありかたもいつしか実現可能な日が訪れるのであろうか、科学のすばらしさに感心させられる。出展:Effective wireworm control in potato with beneficial nematodes | Koppert Global

タイトルとURLをコピーしました